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Research

研究室の方針

 私達の研究室では、様々な有機・高分子化反応を用いてオリジナルな分子を合成しています。そして、合成した分子を使って溶液中のイオンから気体分子まで様々な分子の分子認識に挑戦しています。この研究によりこれまで視覚的に確認することが難しかった微量の物質やガスを目視で確認できるようになると考えています。そして、環境・医療・生命・工業など様々な分野で役に立つ化合物を創出することが目的です。将来、この研究が我々の安全・安心な生活をもたらすと期待して日夜研究に励んでいます。

研究テーマ

1.共役系化合物の合成および溶液中における分子認識能

2.分子性液体を用いたガス分子認識に関する研究

3.凝集誘起発光特性を示す化合物の創出

4.ナノ炭素材料を利用したセンサーへの応用

研究トピック

共役系高分子を用いたpHセンサー

主鎖にピリジン環を導入したポリフェニレンエチニレン(PPE-Py)を合成した。このPPE-Pyは水溶液中のpHが酸性に変化すると溶液色が緑色から黄色へと変化した。この溶液色の変化は、ピリジン環部位が水溶液中の水素イオンと配位結合することでピリジン環が電子不足となると高分子鎖の電子状態が変化することに起因している。また、水溶液中のpHの値を変化させることで繰り返し溶液色が変化するため繰り返し利用可能なpHセンサーへと応用ができる。

共役系高分子ー単層カーボンナノチューブ複合体を利用した化学センサーの開発

共役系高分子を水溶性とするためにスルホン酸塩基を導入した共役系高分子を合成した。この共役系高分子は水中で単層カーボンナノチューブと複合体を形成することができた。形成した共役系高分子ー単層カーボンナノチューブ複合体は水中で銅(Ⅱ)イオンを選択的に検出できることを明らかとした。

室温下、液体状態で存在する共役系化合物の合成およびガスセンサーへの応用

共役系化合物は分子間相互作用が働くため、通常室温下で固体状態で存在する。固体状態では蛍光特性がエキシマー形成などにより制限されてしまうため、ガス分子などは認識することができなかった。そこで、分子間相互作用を制御するために共役系化合物の側鎖に長鎖分岐アルキル基を複数導入した共役系化合物を合成した。合成した共役系化合物は分子間相互作用の低減に成功し、室温下で液体状態になることが分かった。さらに、液体状態で酸性ガスなどのガス分子を認識することで蛍光色が大きく変化することを明らかとした。このような液体状態の共役系化合物はガスセンサーへの応用が期待できる。

上記のような研究テーマに沿って研究を行っています。

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